in the sea

 現代社会の抑圧の中で生きること、存在することの意味を模索し、さまざまな手法を用いて表現し続ける現代美術作家。紙粘土で作られた表情のない身体彫刻や、鉄パイプに金網をはった棚に、頭部、胸部、手足を積み置いたインスタレーション、透明チューブに血管のように赤ワインを循環させた手など、いづれも見るものに一種の恐怖感を与える一方で、空間や場所に対する幾何学的考察の作品の中には、ステージや出口、ゲートをイメージしたものも見られる。越後妻有の「大地の芸術祭」に先立ち、三方からの山道が出会う見晴しのよい高い場所に展望台を設置した作品等が代表的な作品である。柳健司氏の作品には、抑圧された精神と肉体の解放を追い求める切実な思いがこめられています。

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