佐原 みゆき「書と現代美術展」

書の中には、古典と現代書というものがあります。作者である佐原みゆき(以下作者という)氏は、この書の世界をはじめてから、9年になる。導入部はお習い事として始めたことであるが、書の持つ絵画的要素から作者の興味は現代書へ惹き付けられた。作者の書は書こうとしている文字や音の響き、そして視覚的な表現をメッセージとして描いている。それは、作者が個として生きていることや、女性として生きているということがテーマになっていることがうかがえる。現代の日本の社会においては個でいることや性別の違いを正当化するすることは、教育的な集団生活のありかたや男女平等の考え方から無視されがちな事でもある。しかし私達の感情はいつでも人間的であり、それを無視することはできない。
作品は、作者の生活の中にある個であり、女であるということをモチーフとし、書という伝統的な技法の中で人間の本質的な現象をスケッチしている。



会話


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MIYUKI SAHARA EXHIBITION
sat.18.may.2002-sun.26.may.2002
佐原みゆき 「書と現代美術 展」