手のひらの上の空気
みなさんの手を見てください。
その手は空気の中にあるわけですが,力を受けている感じはしませんね。
手のひらを大気が押している力はどのくらいになるのでしょうか。
大気は地表面から宇宙空間に出るまで続いていますね。
地面に一辺が1センチメートルの正方形を描いたとします。
その上に続く空気の柱を想像してみてください。底面積が1センチメートルで,高さが10キロメートル以上ある見えない柱です。
その柱にある空気の重さが,地面の正方形にかかっているわけですね。
地表面で1平方センチメートルにかかっている大気の力は,何と1キログラムもあります。
子どもの手のひらの面積を,およそ100平方センチメートルとします。(人によって違いますが)
すると,手のひら全体にかかる大気圧は100キログラムにもなるのです。
みなさんの手のひらの上だけで100キログラムも乗っているんですよ。
体全体にかかる大気圧は,乗用車数台分にもなってしまいます。
そんな力がかかっているのに,飛び跳ねたり走ったりできるのは,すごいことですよね。
産まれた時からその圧力の中にいるので,慣れてしまっているんです。
空気のない宇宙空間では,その圧力がかからないので,人間の体はパンクしてしまうでしょう。
宇宙空間に出るためには,空気が漏れないように丈夫な宇宙服を着なければならないんですね。