陥入爪と巻き爪の治療法
爪の状態によってさまざまな治療法があります。お悩みの方は、ご相談ください。
外科専門医としての知識と経験から 巻き爪の治療を行います。 まずは保存的治療を原則とし、必ずしも手術はいたしません。
白癬(みずむし)の治療は当院では行いません。爪の肥厚、混濁がある場合は爪白癬の可能性がありますので、まず皮膚科専門医への受診をお考えください。
巻き爪、陥入爪が原因で足のゆび(趾)が腫れている場合を爪周囲炎、あるいは爪囲炎といいます。
軟膏や消毒、お薬だけでは 治りません。 爪の正しい処置や形成術が必要です。
特に足の拇趾が腫れることが多いのですが、爪の切り方に原因があります。
ほとんどの場合、爪を正しく切ることによって軽快します。正しい爪の処置法をお教えします。ふだん使っている爪切りをお持ちください。
当院では 爪の状態に応じて適切な矯正療法を併用します。
ワイヤーによる爪矯正治療は手術に準じて詳しい説明後、希望者に行います。 局所麻酔は必要なく、処置は数分で済みますが、適応の可否や説明がありますので、まずはご来院のうえ ご相談下さい。
@保存的療法
- 飲み薬・注射
- 抗生物質 いわゆる化膿止めです。注射、飲み薬があります。
細菌を抑制する薬です。爪の角の物理的な刺激でおこる陥入爪では感染して化膿した不良肉芽が痛みをさらに強くしています。
- 消炎鎮痛剤 いわゆる痛み止めです。痛みと腫れを減らします。痛みが特に強い時期には有効です。
- 陥入した爪の正しい処置と切り方 : 爪をゆび先より数ミリ伸ばすことと、爪の角をきちんと切ることなど、正しい爪の切り方をお教えします。 ふだん使っている爪切りをお持ちください。
- 肉芽に対する処置
- 硝酸銀法 凍結法 電気メス焼灼法 テーピングによる方法 など
- 塗り薬 鎮痛消炎剤と抗生物質入り軟膏
A外科的療法
- 部分抜爪
- 爪の部分切除 爪のかどが軟部組織に刺さると激しい痛みが生じます。トゲを取ると、一時的に痛みと炎症は治まります。化膿した肉芽組織を切除することが有効なことがあります。この場合は局所麻酔下で行います。
- 爪郭爪母楔状切除術 爪母から爪の幅を狭くして、爪が陥入しないように形成を行います。局所麻酔下の手術になります。
- 全抜爪
爪を完全に抜去します。 局所麻酔下に行います。 実際にこの手術を行うことはほとんどありません。
- コットン・パッキング ピンセットで陥入した爪の角の下に米粒くらいの大きさの乾いた綿を入れて、巻き爪や陥入した爪を上に持ち上げるようにします。 毎日、入浴後にすこしずつ綿を詰めると肉芽がどいて、食い込んだ爪が肉芽の上に上がることによって痛みが和らぎます。
自分で簡単に出来ますが、即効性はなく、効果は一時的です。 テーピングと併用すると効果的です。
- テーピング法 巻き爪の陥入をテーピングによって軽減します。 爪の横の肉芽組織を外側に引っ張るように張るのがコツです。爪の外側と内側に行います。正しく行えば、痛みが和らぎ即効性はありませんが、次第に爪の陥入と腫れが軽快します。
- ワイヤー療法 Super elastic wire method
日本では、数年前から行われるようになりました。 当院で行なっています。しかし、ワイヤーによる効果は即効性がありますが、永続性がないのが欠点です。いまだ日本では保険診療として認可されておらず、保険がききませんので自費診療扱いになります。材料はワイヤー1本で4000円、初診の方は処置料込みで8000円ほどかかります。注射による麻酔は必要ありません。ワイヤー治療は予約で午後の時間帯で行っています。 - 超弾性ワイヤーはニッケル、チタン合金に処理をほどこした特殊合金製ですから強く曲げても回復力が一定で、曲げた状態でも数カ月以上にわたり強い回復力を発揮します。爪の先端に小さな穴を2つ開けて超弾性ワイヤーを装着し、陥入爪、弯曲爪の形を少しずつ矯正します。常温では軟らかい直線状のバネで、装着は5分間位です。1-2カ月ごとに取り替えます。ある程度爪が伸びて白いところが無いと施行できません。また、炎症が強い状態ではあまりおすすめしません。矯正力が強すぎて爪が横に割れることがありますが、その場合にはテーピングやコットンパッキングをして 爪が伸びるのを待ち、再び行います。 ワイヤーによる爪矯正療法は即効性があり、効果は明らかなのですが、常にワイヤーを装着しておく必要があり、効果は永続的ではありません。 巻き爪が軽快したあとは テーピング法を併せて行うのが おすすめの良い方法です。
巻き爪、陥入爪の治療、ワイヤー治療についてのご相談は当院まで