(5) 技術

蕎麦屋開業に必要な技術をどのように習得するかを
考え、実践してゆく。
幸いな事に、趣味として5年間の経験は持っているが
それ以外の技術に関しては素人同然である。
スピード、調理バランス、食材の扱い、鮮度を見る目、
完成品のレベル維持等学ぶべき事は多い。


No 習得技術 習得方法 備考
1. 蕎麦打ち技術 一茶庵プロ養成コース受講 3/5〜30、
2kgの蕎麦粉を25分で打つスピードの実現
2. 汁作り(かえし、出汁) 同上、試行錯誤 汁の濃度を一定に保つ
3. 天ぷら 同上、試行錯誤 天ぷら屋さんの技術を真似る
4. 調理手順 同上、実地見学、自らの工夫、
実地訓練
調理の手順を身体で覚える
複数の注文に対して仕込みの段取
同時に提供出来る調理開始時期
厨房を覗かせて戴く
5. 接客 繁盛店訪問 手順と流れを見せて戴く
6. 製粉 同業者に教えを乞う 県外の同業者にお願いする
7. 出汁巻き玉子焼き 名人に教えて戴き、訓練 2001.2.11 M氏の奥様に教えて戴いた
8. 鴨せいろの汁作り プロ養成コース受講 スピード、品質確保
9. 食材の管理      同上 鮮度管理、廃棄処分判断など


1.蕎麦打ち技術
【道具】
麺棒の扱いかた、小間板の扱いかた、道具の手入れ方法

【作業・手順】
加水方法、水回しの方法、荒延し、丸延し、四つだし、本延し、
畳みかた、切り方、切った蕎麦の扱いかた等

【種類】
延しべら、切りベラ、田舎蕎麦、芥子きり、茶蕎麦、並蕎麦等
蕎麦の種類によって延し方と切り幅が異なる

【スピード】
一日に打つ量との相談。 扱い易い量に分割して打つ事が結果、早い。



2.汁作り(返し、出汁)
【かえし】
醤油、本みりん、砂糖の配合、作成手順。
蕎麦用、うどん用で配合が異なる。

【出汁】
一茶庵方式は上等の本枯れ節、亀節を使用する直前に
専用の鰹削り器で削り使用する。
本枯れ節・亀節の配合、一番だしと二番だしの使用方法など。
基本的には和食のだしの取り方で行う。
取りたい出汁の量、仕込む水の量、かつお節の量、煮出し時間など。

【ザル汁】
出汁と返しの合わせかた、混合比、湯煎、寝かせ等について。
一茶庵方式では、出汁と返しを合わせたあとに大きな特徴がある。
合わせた汁に熱く焼けた鉄棒を入れ、焼き入れを行う。
その後に「酒」「本味醂」を一定量投入し、湯煎はせずに
氷で冷やして使用する。

【かけ汁】
出汁と返しの合わせかた、混合比、保存期間など。
一茶庵方式では、一番だしと二番だしの取りかた混合、返しの量、
鉄棒による焼き入れ、酒と本味醂の追加投入等が特徴。
このかけ汁は、飲む汁であるが実に美味しい。

【同割汁】
鴨セイロ等に使用するつけ汁の作り方、保管方法など。
一茶庵方式では、ざる汁とかけ汁を同率で混合し使用している。
鴨の脂身、肉から出る旨みと汁の濃さがマッチして実に美味い。



3.天ぷら
【食材と仕込み】
天ぷらといえば「エビ」が王様であるが、活きたエビを何時、どのように
仕込むのか、野菜などはどのように仕込んで置くのかなど。
一茶庵教室では、活きた才巻きエビを調理直前で仕込む。
揚げるまでの形に整える手順、留意点など。

【油】
天ぷら専門店と蕎麦屋の天ぷらとの違い、油の混合比、使用する
油の種類など。
ごま油(白いもの)、白絞油を2対8程度で使用している。

【温度管理】
天ぷらを揚げるときの温度は、何度くらいが良いのか、種によって
異なるのか、投入する量によって調節するのかなど。
一般的には、大きな天ぷら鍋またはフライヤーで揚げるが、
電磁式の天ぷら揚げ器が有り、温度管理も自動で行ってくれる。

【衣】
此処が一番重要かも知れない、小麦粉の種類、溶く水と小麦粉の
配合比、溶きかた、保存方法など。
一茶庵教室では、事前に造っておいた黄身水を一人前の天ぷらを
揚げる直前に超薄力粉を混ぜ使用する。
そのまま放置しておくと、グルテンが出て粘ってくる。
こうなると天ぷらの衣としては、使用出来なくなる。

【揚げかた】
先ずは衣の付いていない「頭」から揚げる。
次に野菜(一茶庵では椎茸、小茄子、ししとうを使用)最後にエビを
2匹棒揚げする。
活きた才巻き海老は色の見事さと味が天ぷら専門店の味である。

【盛付】
こちらは一般的なルールを知っておきたい。
一茶庵教室では、天紙を2山に折り、その上に海老2本、ししとう2個、
椎茸1個、小茄子1個、そして揚げたお頭を2個並べている。



4.調理手順
【セイロ】
一人前から数人前のセイロを同時に提供するために、生麺の計量、
茹で釜の温度管理、茹で時間の把握、茹で洗い後一人前ずつに
分割し盛り付ける。 一人前の蕎麦が三等分に成るような盛付。

【天セイロ】
天ぷらの食材をバットに準備、それぞれの天ぷら種を下処理、油の
温度管理、黄身水の計量、薄力粉の計量・攪拌、揚げる順番と
取り出すタイミング、油きり、その間に生蕎麦の計量、茹で釜の
温度管理、茹で時間の把握、蕎麦の盛付、天ぷらの盛付。

【鴨セイロ】
鴨肉・葱・三つ葉・柚子等の食材の準備、葱・柚子・三つ葉の下準備、
鴨肉のあおり、同割汁の計量と温め、葱炒め、汁への投入、生蕎麦の
計量、茹で釜の温度管理、茹で時間の把握、茹で洗い、盛付、鴨肉の
汁への投入、一煮立ち、器への盛付。

【三色蕎麦】
それぞれの生蕎麦の計量、茹で釜の温度管理、茹で時間の把握、
三種類の蕎麦の茹で、洗い、締め、盛付。

【出汁巻き卵焼き】
玉子焼き器の準備、玉子溶き、出汁等の投入攪拌、鍋と油の温度管理、
玉子の投入、焼き加減の確認、巻き込み、油引き、型作り、仕上げ、
盛付。

【甘味/伊吹団子】
そばがき作り、餡の括り、そばがきによる生地作り、包み込み、きな粉まぶし、
盛付。

【蕎麦料理/蕎麦味噌】
西京味噌・刻み葱・刻み胡桃の練り込み、蕎麦米油揚げ、練り込み、
一人前取り出し、しゃもじへの貼り付け、切れめ入れ、焼き、盛付。



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