群馬県民の日 県内一周の旅

 毎年10月28日は群馬県民の日で、県内では色々な催し物とか無料開放とかやってますが、その中で群馬県内のJR線が普通と快速に限り1100円で乗り降り自由になるフリーきっぷが発売されます。この切符を使って群馬県の最果ての地に行ってきたので、旅行記を書いてみようと思います。

 ゲームショウとかのゲームイベントとは全然違う雰囲気なので、興味のある人はおつきあいくださいな。いつも通り、写真をクリックすると大きな画像が出るので色々と見てみてくださいね。


5時20分 JR両毛線 駒形駅

 旅の始まりは駒形駅から。朝一番の電車って事で、乗る人もまばら。でも、私と同じ目的っぽい人も数人見かけたりで、考える事は同じなんだな〜とか思っていたり。

 朝6時前って事で、まだ緑の窓口は開いてないので県内フリーきっぷは買えません。去年は、駒形駅で入札証明をもらって新前橋駅でフリーきっぷを買ってOKだったので、今年もこのパターンで…と思ったら、この日の駅員さんはシビアな人で、入札証明は本来こういう使い方をするものではないので渡せないとか言ってきた。えー去年はそれでOKだったんですよ〜と色々話をしていると、「本来はダメなんですけど今回は特別に…」と既に発券済のフリーきっぷを売ってくれた。これはこれで有難いんだけど、持ってるなら最初から出してよね〜って思った。

 10月も下旬となると、まだこの時間って日が昇ってないんですね。朝5時台なんて、コミケとかゲーム系のイベントの時くらいしか起きてないし、へたをすれば徹夜でネットしちゃって気が付いたら外が明るくなってた〜なんて逆に寝る時間だったりするんだよね。だから、朝焼けを見るのは本当に珍しい。この日は前日に台風が来たばかりで見事なばかりの台風一過。朝からものすごくいい天気で、きれいな夕焼けみたいな朝焼けを見る事ができました。さいさきのいいスタートです。

 両毛線は一部単線になっているので、こうやって電車の待ち合わせがあったりします。本当に朝焼けがきれいでした。まさに台風一過って感じです。

 

駒形駅 5時40分発 => 普通列車 高崎行 => 新前橋駅 5時52分着

5時52分 JR上越線 新前橋駅

 本日最初の乗換駅。ここで30分待たされる訳ですが、さすがにこの時期の朝は結構冷えるんですね。長袖を着ていったけど風が吹くと体感温度がかなり低く感じるので、駅舎の中や待合室で電車が来るのを待ってました。

 待合室では、フリーきっぷを使って旅行するおじいさん数人が色々と話をしていて、どうやら私と同じ電車に乗って草津に行くらしい。普段なら片道だけで千円を軽く超える電車賃が往復1100円になるからお得だよね〜とか話してました。という事は、それよりももっと奥地に行く私はもっとお得だな〜なんて思った。

新前橋駅3,4番線ホーム。まだ朝早いって事で、人の姿はほとんど無かったです。
連絡通路から前橋方面を撮影。真ん中に見える茶色い建物が群馬県庁です。屋上は展望台になっていて、誰でも無料で上る事ができます。ここからの景色もなかなかいい感じですよ。
4番線に、吾妻線大前行きが入線してきました。これに乗って、終点の大前駅までのんびり車窓を眺めましょう。

 

新前橋駅 6時25分発 => 普通列車 大前行 => 大前駅 8時1分着

 

渋川駅手前で撮影。たぶん榛名山かな。
吾妻線の祖母島駅。「うばじま」って読む難読駅。え?これ待合室だって?いえいえ、これが駅舎ですよ!吾妻線は無人駅が多く、この祖母島駅もその1つ。自動改札も無いし、券売機も無いし、緑の窓口もありません。離れでトイレはあったかもしれないけど、これでも一応駅なんです。
橋の上から。前日が台風だったので、水量が多めの様に見えました。
今度は道路の上から。ここから先は、こんな感じでのどかな風景が続きます。
長野原草津口近辺だったかな。山は紅葉が進み、ちょうどいい時期でした。何やら工事をやってますが、たぶんこれは八ツ場ダムの工事だと思います。この渓谷、残念ながらダムの底になってしまうそうです…。
のどかな風景の中、小さな集落。終点1つ前の万座・鹿沢口駅前の風景。この辺に、何やら温泉があるらしい。

8時1分 JR吾妻線 大前駅

 まずはJR吾妻線の終点、大前駅に着きました。ここの駅は無人駅で、駅舎=待合室&トイレって感じの建物があるだけ。券売機も無いし、改札もなし。なので、ホームに入り放題。電車が来てなければ、線路内にも入り放題になっています。

 駅の前には吾妻温泉の建物が1件あるだけで、あとは小さな舗装されてない駐車場、公衆電話、自販機があるだけで、駅前のコンビニとか売店といった施設はありません。まぁ、それだけ乗降客が少ないんだと思うけど、ここまで寂れてると哀愁が漂いまくりです。

 しかし、この日の大前駅は結構賑やかでした。やはり私と同じ考えをしている人が20人ほどいて、意味もなく駅周辺をフラフラしている人を見かけました。大前なんて通過点にすらならない程、縁の遠い場所。こんな時くらいしか来る機会がありませんからね。

大前駅の時刻表。1日5本ってどんだけ…。しかも、朝8時を逃すとお昼まで電車が無いなんて…><
駅の目の前にある踏切から。こんなアングルから撮れるなんて、なかなか珍しいかも。
大前駅の全景。手前の白い建物は駅舎ではありません。奥に見える電車が止まってる所が大前駅。ほんと、周りに何もりません…。
駅の前に流れている川。さすがに上流なだけあって、水はきれいでした。
駅前…から少し離れた所にあるメインストリート。民家はあれども、お店やコンビニはありません。さらに、あまり車も走ってない…思いっきり過疎ってます。
そのメインストリートに行く為に上ってきた階段。土合と違って段数は少ないものの、1段が結構高かったので少し運動になった気分。土合の前の準備運動…か。
さっき乗ってきた電車が、折り返し高崎行きに。再びこれに乗って、今度は上越線に乗るため渋川駅へ。

 

大前駅 8時29分発 => 普通列車 高崎行 => 渋川駅 9時49分着

9時49分 JR上越線 渋川駅

 今度は土合駅に行く為、渋川駅まで戻ってきました。何とここで1時間待ちという長丁場。駅前には食堂しかなくて暇がつぶせそうな所が無いし、さてどうしたものか…と駅周辺を歩いていると、ふと目に飛び込んできたのがわんぱくこぞうっていうゲームショップ。普段、ゲームショウとかで色んなゲームを見たり遊んだりしてくるけど、こういったお店って全然来ないよな〜って思ってふと立ち寄って暇つぶし。

しばらくして駅に戻ると、何やら汽笛の音が。SLのD51がホームに入線してきました。秋の行楽シーズンに、土日限定で上越線をSLが走るんですね。たまたまタイミングよく渋川駅で遭遇する事ができました。SL自体珍しいので、周りには観光客が沢山群がってました。運転席に子供を乗せて記念撮影をする家族連れも。
行き先は水上だったので、あわよくばこれに乗って行けたら…って思いましたが、時刻表を調べたら渋川駅の滞在時間が約30分で、この先の沼田駅でもまた長時間滞在するみたい。これだと水上から先の長岡行きに乗れなくなってしまうので、仕方なくD51の勇姿を見て普通列車に乗り水上へ。

 

渋川駅 10時48分発 => 普通列車 水上行 => 水上駅 11時26分着

11時26分 JR上越線 水上駅

 群馬県有数の温泉地、水上に着きました。と言っても、ここでの乗換時間は何と5分。温泉情緒も無いまま、駅舎を撮影してすぐに長岡行きの電車に乗り換え。これを逃してしまうと、何と4時間も待たされてしまうのだ。これからまだ最果ての地は4カ所もあるし、ここでこんなに足止めを食らったら今日の予定は全てパーになってしまうので、急いで電車に乗り込みました。

駅前の町並み。いかにも温泉地って感じで、お土産屋が並んでいました。
水上発長岡行きの電車に乗って、2つ先にある土合駅へ。ここから先って、電車の色が違うんですね。さっきまで茶色&深緑だったのが、今度は白&緑。

 

水上駅 11時31分発 => 普通列車 長岡行 => 土合駅 11時40分着

11時40分 JR上越線 土合駅

 日本一のモグラ駅と言われている土合駅。ここの駅はとにかく特殊な構造になっていて、上りと下りでホームが全く別の所にあります。上りホームは地上にあるのに対し、下りホームは地下になってて、しかも地下は高低差70mという奥深さがあるにもかかわらず、あるのは500段近くある階段のみ。エレベータとかエスカレータといった文明の利器なんて存在しません。頼れるのは、自分の足のみという過酷な駅。とにかく、ここを登り切らないとお日様を拝めないのと上り電車に乗り換えなきゃいけないので、がんばってこの階段を登りました。

駅を降りると、こんな感じで地下鉄な雰囲気。ものすごく明るく見えますが、実際はかなり薄暗くなっています。都心にある地下鉄の駅みたく、明るくてお店の広告が至る所に…なんて光景は、ここにはありません。あるのは、小さな待合室、トイレ、改札の案内くらいでした。
電車が過ぎ去った後。この日は県民の日で来ていた人が多かったですが、普段は谷川岳に登る人や近くのロープウェイに行く人くらいしか使わないので、ほとんど人はいないかも。しかも、最近は新幹線の上毛高原駅から土合駅からロープウェイに行く直通バスなんかもあったりするので、マジで使う人が少ないかも。
「ようこそ!日本一のモグラ駅へ」と看板が。ここから先、自分の足だけで地上へ階段を上り続けなければいけません。486段、がんばって行きましょう!
でもね、上を見るとこんな感じなんだよね…地上の光が、ものすごく遠くに見えるよ…。
階段には、ちゃんと1つずつカウントが振られています。一応、これで今どこら辺まで来たかが分かりますが、いかんせん一番上は500段近いですからね。100なんてまだまだ半分にもなってない状況です。
やった!遂に上りきりました!いや、ほんと長かった…この中は地下って事で涼しかったけど、上りきった時にはもう汗ダラダラでした。普段、散歩とかで運動はしていたものの、やはりこの段数は辛かったです。
上りきったところにある、謎の壁。調べてみたら、下りホームに電車が通過すると、ピストンの原理で地下にある空気を押し込んでくるそうで、その風を和らげる為に設置している風除けみたいな役目をする壁みたいです。
その謎の壁の向こうには、細い通路と奥に再び階段が…でも、もうあの長い階段は無いみたいなので、もう少しがんばって改札口を目指します。
その通路の窓から見た風景。こっちでも紅葉がいい感じで進んでいました。
そして遂に、最上段486段目に到着。これで階段を全て上りきった事になりました。正直、足が少し笑ってました…。
上りきったところにある案内板。残念ながら、Suicaは使用できません><
やっと改札口に到着しました。無人駅の割に、改札は結構多いんですよね…昔、谷川岳の玄関口として登山や観光で来る人達が多かったのでしょうか。駅舎内も窓口があったり待合室もあったりで、構造はしっかりしていました。無人駅ですけど。
土合駅の時刻表。ここも大前駅と同じく1日5本…さみし…。
階段を上ること約10分、ようやく地上に到着。駅の周りは紅葉できれいに染まってて、空は快晴で雲一つ無いきれいな青空。そのコントラストが本当にきれいで良かったです。
上り線ホームから新潟方面に向かって撮影。山の紅と空の青が本当にいい感じです。
上り線ホーム。谷川岳の玄関口としても使われているので、県民の日で来てた人以外に大きなリュックを背負って頑丈そうなブーツを履いた重装備の登山客も見かけました。でも、この日は私を含めて軽装備の人が多かったかな。

 

土合駅 12時25分発 => 普通列車 水上行 => 水上駅 12時38分着
途中にある鉄橋の上から。私の使っているカシオのデジカメEX-Z750は、撮りたい!と思った時に電源を入れてシャッターが切れるまで1秒ちょっと。この起動の早さのお陰で、こういった瞬間の撮影が出来たりして助かりました。
湯桧曽駅近くだったかな。こんな山奥にも集落がありますが、これが12月になれば一面銀世界になってしまうんですよね。目の前には谷川岳もあり、関東でも有数の豪雪地帯ですから。でも、去年は降雪が少なかったみたいですが…今年はどうでしょ。
今乗っている電車は、水上行きの上り列車。そして、この写真に写っている線路は、さっき土合に向かった時に走った下りの線路。普通、線路って上下線が並行して走るのがほとんどですが、ここでは全く違う所を走っています。考えてみれば、上りは地下ホーム、下りは地上ホームだから、これくらいの高低差はあって当然かと。

12時38分 JR上越線 水上駅

 再び水上駅に到着。今度は横川駅に向かう為、ここで高崎行きの電車に乗り換えて最終駅まで南下します。

土合駅 12時45分発 => 普通列車 高崎行 => 高崎駅 13時49分着

13時49分 JR信越本線 高崎駅

 約1時間ほどで群馬県の玄関口、高崎駅に到着。高崎駅って駅舎内が改装されてて、ホームは変わってないけど階段を上ると私が記憶していた高崎駅と全然構造が変わってた。私の知ってる高崎駅って、東口と西口の改札を一直線につなぐ通路があって、そこからホームに下りる階段がいくつも並んでた感じだったのが、少しカーブしてる様な感じになって見晴らしが悪くなってた。でも、前の週にここへ電車で遊びに来ていたので迷子にはならなかったけど、初見だったら少し迷ってたかも。

 ここで10分ほど乗換に時間があったので、ホームにある立ち食いうどんで昼食。朝が早かったせいで、朝11時くらいから既に空腹だった…お陰で、何かものすごく美味しく感じました。

高崎駅5,6番線の発車案内板。駅舎内はガラリと改装されましたが、案内板は昔のままでした。この14時3分発の横川行きに乗ります。
高崎駅 14時03分発 => 普通列車 横川行 => 横川駅 14時36分着

14時36分 JR信越本線 横川駅

 駅弁の「峠の釜めし」で有名な横川駅。昔、ここから軽井沢に行く時に、線路があまりにも急勾配すぎて列車単体では登れなかったので、登坂用の機関車を連結して登っていきましたが、その連結作業で5分とか10分この駅に滞在していたので、その待ち時間に駅弁を買う人が多かったんです。駅弁の器が陶器で出来ている珍しさもあって人気になり、全国的にも有名になりました。

 その横川駅も、今や高崎からの信越本線では終着駅。長野行新幹線が開業した事と、乗客の減少に伴い横川−軽井沢間が廃止になりました。上野から長野に走っていた在来線の特急「あさま」も廃止され、横川駅も軽井沢方面の線路が無くなりました。連結作業待ちで駅弁を買う光景も無くなり何か寂しい感じもしますが、今でも庶民の足として普通列車が走り続けています。ちなみに、横川から軽井沢へはJRバスが走っているので行けない事はないです。確か500円で乗せてくれたと思います。

廃止された代わりに出来たのが「鉄道文化むら」という施設。最近、埼玉の大宮に出来た鉄道博物館と同じく、全国的にも珍しい鉄道に関する展示を行っている場所ですが、ここの施設では主に電車の実機を展示しています。展示してあるだけじゃなくて、その実機に実際入る事もでき、客車だけじゃなくて運転席にも座れるという貴重な体験ができます。
今、長野行き新幹線の名前になっている「あさま」。以前は上野と長野をむすぶ特急列車として在来線を走っていました。列車によっては、高崎から大宮までノンストップで走ってくれたので、高速輸送として重宝していたのですが、横川−軽井沢間廃止と同時に役目を新幹線へ。
そのあさま号の運転席と、そこから見える風景。高い位置に運転席があるので、見晴らしはかなりいい感じ。この車窓で走っている所を見てみたいな〜。いつも乗っている高崎線でも、雰囲気が全然違って見えたんだろうなぁ。
お座敷列車って、走ってるのはよく見かけるけど実際に乗った事って無かったんですよね。でも、この鉄道文化むらで中の様子がハッキリと分かりました。本当に、畳が敷いてあって本当に「お座敷」になってた。しかも、奥にはテレビが置ける台なんかもあったりして、たぶんカラオケとか出来るんじゃないかな。ここだけ見ると、何か電車の中って感じじゃないですね…どこぞの食堂というか、細長い旅館の宴会場、そんな感じ。
こちらでも紅葉は進んでましたが、さすがに土合とは違って標高は低く山間部じゃないので、始まったばかりって感じでした。あさま号のロゴが「JNR」ってのに時代の流れを感じましたね…昔は国鉄だったから。
昔、国内の国鉄に乗り尽くそう!みたいなキャンペーンで「いい旅チャレンジ2万キロ」という一大イベントをやってた時期がありました。それにあやかって、テレビでもクイズ番組があった様な。電車好きな私は2万キロ乗ってみてー!って思ったけど、当時小中学生の私には夢の話でした。

この施設には、横川駅にあった機関区の名残があって、車両を整備する建物の中がパーツや機械そのままで置いてあったり、廃止された横川−軽井沢間を少しだけ線路を残し、そこに本物の電車を置いて一般人に運転させたり(有料で前もって講習を受けるらしい)ここでしか体験できない事も色々。

 他には、鉄道シミュレータがあって「電車でGO!」が実写で3画面になり、運転席が実機と全く同じになった感じ。10分1000円と高かったけど、珍しさで体験してる人が結構いました。確か前に来た時は廃止された横川−軽井沢間が体験できた気がしたんだけど、この日は何故か高崎線の鴻巣−桶川間だった。

 実機以外には、信越本線の歴史とかも展示してありました。開通までの苦労とか改良を加えていく流れ等、廃止までの年表があるだけじゃなくて、その時に使ってた機器やパーツも展示してありました。先代がこんなに苦労して開通させたのに、廃止してしまうと何か勿体ない感じもしましたね。せめて線路だけでも全線残して、時々臨時列車とか走らせても良かった気もしますけど、やっぱり維持するだけでも大変な費用がかかってしまうんでしょうね…。ちなみに、某マンガで有名な「めがね橋」は今でも残っているらしい。

横川駅 16時30分発 => 普通列車 高崎行 => 高崎駅 17時02分着

17時2分 JR信越本線 高崎駅

 鉄道文化むらに少し滞在して、横川から再び高崎へ。外は既に日が落ち始めていて暗くなりつつありました。ここから先は、これといった目玉も無く、景色も暗くて車窓もイマイチ楽しめなくなってきていたので、ほとんど消化試合みたいな感じになってきました。乗換の時間を考慮して、まずは高崎線の最南端、新町駅へ。

高崎駅 17時14分発 => 湘南新宿ライン 小田原行 => 新町駅 17時14分着

17時24分 JR高崎線 新町駅

 高崎駅からわずか2駅、高崎線の県内最南端にある新町駅に到着。外は既に暗くなっていて、行き来する人も県民の日で県内あっちこっち行ってるっぽい人の姿は無く、普通に生活で利用している乗降客しかいなかった。そんな中で駅舎を撮影していた私をみて、一般客はどう思ってただろうな…。

 と考える余裕もなく、今度はJR八高線に乗るため5分後に発車する高崎行きに乗り1駅北上して倉賀野駅へ。

新町駅 17時29分発 => 普通列車 高崎行 => 倉賀野駅 17時34分着

17時34分 JR高崎線 倉賀野駅

 今度は八高線の群馬藤岡駅に向かうため、倉賀野駅で降りて乗換。しかし八高線も本数が少なく、待ち時間24分。仕方ないので改札を出て暇つぶしを探してみたものの、駅前には何もなかった…しかも既に日は沈んで真っ暗だったので、どこか散策って気分にもなれないし…という事で、ホームのベンチに座ってひたすら待つ事に。

 でも、こうなる事を想定していて任天堂DSとプレイやんを持参していたので、前もってSDカードに入れておいた動画をのんびりと見てました。バンブーブレードとか、クラナドとか、ハヤテとか。バンブー3話が録画バグって白黒になっちゃっててショックだったりとか…。

倉賀野駅 17時58分発 => 普通列車 寄居行 => 群馬藤岡駅 18時07分着

18時07分 JR八高線 群馬藤岡駅

 JR八高線の最南端、群馬藤岡に到着。しかし、新町駅と同じく乗降客は生活として鉄道を使っている人たちのみ。ここで待ち時間は14分と微妙な時間。駅前はシャッターが閉まってる商店街しか無く、コンビニが無い。少し離れたところにイトーヨーカドーがあったけど、時間的に行ってもすぐ帰ってくる事になりそうだったので、ここで再び任天堂DSで暇つぶし。まぁ、14分なんて渋川駅の約1時間待ちと比べたら全然マシですからね。

群馬藤岡駅 18時21分発 => 普通列車 高崎行 => 高崎駅 18時36分着

18時36分 JR信越本線 高崎駅

 ここで3度目の高崎駅。そして今日の最終目的地、JR両毛線の最東端にある桐生駅に向かうため乗換。さすがに乗降客が多いので本数も多く、乗換は8分。しかし、ここで突然タイムアタックをする事に。

 八高線で群馬藤岡から高崎駅へ移動する車内で、たまたま座った席の隣に封筒があった。周りには誰もいなくて、これは忘れ物なんだろうな〜と拾ってみた。封筒には苗字が書いてあって、配られた物っぽかった。中身を見てみると、何やら旅行のパンフレットとか入ってて、さほど重要な物じゃないから忘れてっちゃったんだろうな〜って見ていたら、その封筒の中に同窓会がどうのってタイトルの紙を発見。ぅぉ!これはちょっとヤバい資料が入っているのか!?と中身を見るのを止めて、これは届けた方がいいと思って高崎駅の駅員さんに渡そうと決意。

 高崎駅に降りると、ホームに駅員の事務室を発見。ドアをノックしても声がしない…恐る恐る開けてみて声をかけてみても反応なし。どうやら誰もいない模様。となると、あとは階段を上って改札にいる駅員さんに届けるしかないのか!?と慌てて改札へ。封筒を届け、小山行きの電車に慌てて飛び乗ったけど、時計をみたらまだあと3分くらい余裕があった。そんなに慌てなくても大丈夫だったかも…。

高崎駅 18時44分発 => 普通列車 小山行 => 桐生駅 19時29分着

19時29分 JR両毛線 桐生駅

 時間は既に19時半になり、朝5時に家を出て14時間が経過。遂に最終目的地の桐生駅に到着。駅前は市の中心駅なだけあって賑やかだったものの、時間帯の関係で人通りは少なかった。昔、この駅前にはハイテクセガ桐生があって、高校生の頃に県民の日でわざわざ遊びに来たんだっけな〜なんて懐かしい記憶を思い出しつつ駅舎を撮影してすぐに乗換。滞在時間は13分なので、油断すると乗り遅れるのだ…。でも、本数が多いので乗り遅れても30分くらいで次の電車があるから別に大丈夫なんですけどね。

桐生駅 19時42分発 => 普通列車 高崎行 => 駒形駅 20時06分着

20時6分 JR両毛線 駒形駅

 再びふりだしに戻り駒形駅へ。これで県内の在来線最果ての地への旅は終わりました。厳密に言えば、新幹線の駅(上越新幹線の上毛高原駅と、長野行新幹線の安中榛名駅)も行ければフルコンプリートなんだけど、とても回ってる時間がありませんでした。横川の鉄道文化むらに滞在しなければ可能性はあったけど、新幹線といえども高崎駅発は多いけど上毛高原駅と安中榛名駅に止まる新幹線って1時間に1,2本しか無いので、乗換時間を考えると難しいかも。他の在来線に乗り換えできれば良いんだけど、この2つの駅って新幹線専用の駅で在来線が走ってないから、再び高崎に戻ってこないといけないですよね。そうなると、新幹線はムリがあるかも。


 全行程の所要時間14時間26分(乗車時間8時間5分、途中下車&乗換6時間21分)の長丁場、電車が好きでないと拷問と思えるこんな旅も、私としては楽しく過ごす事ができました。去年も同じコースを旅しましたが、さすがに1年しかブランクが無かったので風景はさほど変わっていませんでしたけど、電車に乗る事が楽しい私には無問題。一日マッタリと電車を堪能してきました。

 しかし、次回行くとすると今度は5年後。と言うのは、私が土日でないと仕事が休めないのと、水上−土合間の列車が平日と土休日で本数が変わり、今回乗ったナイスタイミングの長岡行きが平日走らない為。水上で13時台の長岡行きまで待たなきゃ行けなくなり、さらに土合から水上に戻る列車も15時台まで待たないといけない…。たぶん県内一周は不可能になるんじゃないかな…。

 水上から土合の間だけバスってのもある(水上駅前発、谷川ロープウェー行き)けど、これでは旅の意義が薄くなってしまいますからね。そんな訳で、次回は5年後の2012年10月28日の日曜日。その時の予想として、たぶん吾妻線が変わってる気がします。現在の吾妻線が八ツ場ダムにより一部区間がダムの底に沈む為、別の所を走る事になっているので、もしかしたらその新しく敷かれた所を走っているかもしれません。

 という訳で、県内一周の旅の旅行記はここまで。貴重な時間を割いて見て頂き、ありがとうございました。


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