平成18年11月24日
理事長 金井 賢一郎 殿
東京電力株式会社
送変電建設センター
所長 神山 隆
西上武幹線新設工事(箕郷西毛区間)事業
環境影響評価方法書の電磁波に関するご質問に対する回答について
平成18年11月17日付けで受領いたしました、「西上武幹線新設工事(箕郷西毛区間)事業、環境影響評価方法書に対しての電磁波に対する研究及び対策」に関するご質問につきまして、添付のとおり回答いたします。
引き続き当社事業につきまして、ご理解とご協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
以 上
添付資料 回答書
質問1.電磁波による「人体に及ぼす健康への影響」 表記に対し、東京電力鰍フ表記アセスメントに「環境への配慮」の項目で「50ガウ ス以下の50/60ヘルツ磁界では有害な生物的影響は認められない」としているが、 世界保健機構(WHO)が来春発表予定の「環境保健基準」案によると、3〜4ミリガウス 以上で小児白血病の発症率が増加するとの疫学研究を紹介している。その研究案が 肯定された場合の対策は如何か。 群馬県自然保護連盟は住宅地等ヒトが生活する上空区間にあっては、設備費が嵩ん だとしても裸電線から被覆電線に先行的に変更する配慮を希望するものである。 |
世界保健機構(WHO)が「環境保険基準」案を公表した事実はありません。
3〜4ミリガウス以上で小児白血病の発生率が増加するとの疫学研究が肯定された場合の対策についてですが、このような疫学研究結果については、国内外の専門機関の評価の中にすでに取り入れられております。その上で、国内外の専門機関は、「電力設備や家電製品など居住環境における電磁界が人の健康に有害な影響をおよぼすとは認められない」と評価しております。
当社は、さらに自ら実施した生物学的研究結果などから、3〜4ミリガウスのレベルはもとより「電力設備から生じる電磁界が有害な影響をおよぼすことはない」と判断
しております。
質問2.電磁波による奇形生物 新聞等の報道のみならず一部会員から「高圧鉄塔下付近に植物の奇形が見られる」 との情報がある。長野県伊那市では「奇形植物調査」の実施を始めたが、東京電力 の見解は如何か。 |
WHOによれば、「植物および穀物を50/60Hzの電磁界に暴露させるフィールド研究では、環境内に通常存在する電磁界のレベルでは影響がない」ことが
示されております。
当社の長年の運転経験からも、このような情報は得ておりません。
質問3.高鉄塔の景観問題 お座成りとされてきた。既存の鉄塔をより高くするという安易な工法は、既成事実を 積み重ねることに他ならない。鉄塔や架線によって山岳の景観を損ねることと、文明 を推進させることとは別の次元のものである。地下配線することも選択肢の内である ことも認識されたい。 |
50万ボルト送電ネットワークを将来にわたって効率的に利用する観点から、
西群馬開閉所と新所沢変電所を結ぶ50万ボルト西上武幹線が必要です。この
ルートは、既設中東京幹線を建て替えますが、同線路は、地域の開発発展に支障となるところも見受けられ、鉄塔を建て替えて電線位置を高くするなどの対策が必要な時期にきています。このため、土地の有効活用と効率的な設備形成などを考慮して、西上武幹線の建設計画に合わせて建て替えます。
既設中東京幹線の建て替えにあたり、絶縁設計合理化による鉄塔のコンパクト化、鉄塔配置の工夫による鉄塔基数の削減、鉄塔高の低減による航空障害標識の削減、電線の反射光を抑制した低反射電線の摘要など景観影響の低減対策を図ることとしておりますので、ご理解いただきたいと存じます。
また、地中化については、ケーブルの送電能力から約30条を必要とし、
その収納設備は直径約6mの大型洞道となり、さらに架空送電線を地中送電線
の大きな接続ヤード(約3,000平方メートル/1箇所)を必要とするなど、現地の
状況を踏まえると実用できるものではありません。
以 上