八ッ場ダム (2005.8.28)



    

15年程前に建設され、森林公団から群馬県片品村と栃木県栗山村に移管された林道ですが
観光には使用しないということでした。
現在では使用頻度はわかりませんが、観光目的として利用されています。

積雪によりこわれたガードレール 東俣沢橋付近の視察風景
狭い林道へ観光バスの進入
(待避所は近くにない)
林道脇の無名の滝
至るところガードレールが
積雪によってこわれている。
県境の奥鬼怒トンネル
(対面通行は出来ない)
現植生の紅葉の様子
土捨場跡植生復旧 
ニホンシカの角研ぎの跡
土捨場に植栽されたヤシャブシ
(人との比較)植栽時は高さ1m、
直径1cm位のヤシャブシも
15年の時を経た成長の様子

奥鬼怒林道の通行に関する質問状

群馬県利根郡片品村 村長 千明 金造 様
栃木県塩谷郡栗山村 村長 山越 梯一 様

平成17年11月30日

高崎市江木町610-10 協栄ビル
群馬県自然保護連盟
理事長 金井 賢一郎

 寒冷の候、貴村益々ご健勝のこととご推察申し上げます。また日頃より自然保護に対しご理解ご協力を頂き、深く感謝申し上げます。
 さて奥鬼怒林道に関しまして少々お尋ねいたします。当時建設主体であった日本森林公団と群馬県自然保護連盟は、奥鬼怒林道(大清水〜八丁の湯間 16.2km)建設計画について日本森林公団と真剣に協議し、多くの提言と妥協の結果、奥鬼怒林道建設を容認することになり建設は着工され完成されました。
  林道が完成し両村に移管され維持管理されている現在、私達には座視できない事が判明しましたのでご質問いたします。以下の項目が群馬県自然保護連盟と日本森林公団と交わした協約の一部です。

  1. 奥鬼怒林道の道路復員は4m以下とし、舗装は行わない。
  2. ガードレールの裏側は同一色を避け、景観をそぐわない色に着色する。
  3. 側溝は生物が脱出できるためのスロープを各所に設ける。
  4. 土捨場は極力少なく設け、沢に土砂が流れ出す事を避ける。土捨場の緑化には出来るだけ現地の植物でもって植栽する。
  5. 林道は林業治山関係車両や、地域住民の生活上必要な車両以外は乗り入れを禁止する。
  6. 完成後は多目的道路としては使用しない。

以上

 私達は平成3年(1993年)6月に完成開通した、奥鬼怒林道影響調査の継続視察を毎年行ってきました。完成開通以降については、両村に移管された奥鬼怒林道の維持管理については、メンテナンスの重要さを認識され、その並々ならぬご苦労に敬意を表しております。

 1〜4の項目に関して日本森林公団は約束を履行していただきました。しかしながら平成17年10月16日(日)に群馬県自然保護連盟の自然保護対策委員10名で現地視察を行ったところ、大清水口から湘南観光の観光バス1台の通行に遭遇しました。日本森林公団との約束では5〜6の項で観光等には使用しないことになっていたので驚愕した次第です。両村に移管された現在にあっては、観光を認めて利用させているのか、また利用したい意向があるのか、その経緯等についてお尋ねいたします。

 昭和56年11月の鯨岡裁定によって、尾瀬周辺の「観光を目的とするスーパー林道の建設は自然破壊を招く事になり認められない」とされました。その結果、奥鬼怒林道は「林業専用道路」として昭和58年秋に工事が開始された経緯があります。貴村におかれてはどうお考えなのかご質問致します。

以上


群馬県自然保護連盟
理事長 金井 賢一郎 様

平成18年3月17日

                               栃木県塩谷郡栗山村 村長 山越 梯一

      奥鬼怒林道の通行に関する質問状について


  早春の候、益々ご健勝のこととご推察し申し上げます。
又、日頃より自然保護関連団体の皆様方には自然保護に対するご指導等を賜り厚く御礼申し上げます。

  早速ですが、先にご指摘いただきました、林道奥鬼怒線のバスの通行について回答いたします。

  奥鬼怒スーパー林道を維持管理している当村といたしましましては、観光関係の通行について通行証が使用されましたことに対し深く反省をいたすところであります。

  今後このようなことが起きないように関係機関に注意をいたすとともに、観光で利用の通行についてはいっさい認めないことで厳正に管理します。

  女夫渕から奥鬼怒大橋までの区間につきましては、地域住民の生活上必要あるとして関係者に期間通行証を交付しているところです。

林道通行許可申請書の林道通行の目的ほとんどが動植物の育成観察で期間については1日〜2日間くらいです。
今回通行証が誤って使用されたと思います。

  今後このようなことが起きないように適切な利用に努めて参りますので御理解と御協力をお願いします。

 


 

群馬県自然保護連盟
理事長 金井 賢一郎 様

平成18年3月22日

群馬県利根郡片品村 村長 千明 金造
(農林建設課)
                                     

奥鬼怒林道の通行に関する質問状について
           

 春暖の候、益々ご健勝のこととご推察申し上げます。又、日頃より自然保護に対してご指導を賜り深く感謝申し上げます。

  早速ですが、先にご質問いただきました奥鬼怒林道のバスの通行についてですが、別紙栗山村長様からの回答書のとおりでありますが、当村においても観光利用の通行に対し深く反省をしております。今後維持管理をしている上で厳正に管理し今回のこのようなことが二度と起きないように適正な利用に努めて参りますので今後ともご理解ご指導をお願いいたします。