司法書士と成年後見後見制度

司法書士が直接、成年後見の問題に向き合う様になったのは、今から3年半ほど前の平成8年2月、私どもの全国組織であります日本司法書士会連合会が開催した市民公開のシンポジウムで、「財産管理センター構想」を公表した時からです。このシンポジウムの模様はNHK教育テレビで放送され、再放送もされ、私たちが予想していた以上の社会的反響がありました。

この財産管理センター構想実現のための基礎的な研究は、手探りの中から、始まりました。当時、3年前は成年後見という言葉は一般的ではありませんので、その状況からすると、成年後見制度がこんなに早く出来るなどとは想像出来ない事でした。日本司法書士会連合会はこの「財産管理センター構想」の実現するための委員会を設けて、現行禁治産制度・諸外国の成年後見制度の研究等をとおして、今の法律の中で、判断能力の衰えた高齢者のために実践可能な方法を探ることから始め、同時に各地で成年後見制度のための市民公開のフォーラムを展開してまいりました。その結果、「財産管理センター構想」の実現を待つ事なく、鳥取県司法書士会の高齢者権利擁護センター「サポート」、埼玉司法書士会の「ケアポート埼玉」、東京司法書士会の有志150人で結成された「高齢者自立支援センター」等各地で実践がはじまりました。

私たちはこの様な準備をとおして、新しい成年後見制度が出来ても、正しくサポートする人がいなければ、本来の目的は達成できない事を強く感じ、成年後見人供給システムとして「財産管理センター構想」展開していくことになり、現在、「社団法人 成年後見センター リーガルサポート」として設立認可申請中です。

「社団法人 成年後見センター リーガルサポート」の概要

センターに登録した司法書士の役割

@任意後見制度利用の場合
予め司法書士・センターと話し合いの上、支援の内容・方法を公正証書で契約しておきます。必要が生じた場合、センターに登録した司法書士が任意後見人となって、直接支援いたします。

A法定後見制度利用の場合
判断能力が減退した後、成年後見人等になって直接支援します。

センターの役割

B指導・監督・教育
@ センターは、センターに登録した司法書士を皆さんに代わって指導監督します。
A センターは、センターに登録した司法書士に対して研修等を行い資質の向上につとめます。
B センターには、業務審査委員会・能力調査委員会など、センターに登録した司法書士の後見事務をサポートするための機関が設けられています。
C センターでは、万一人の場合に備え包括補償保険に加入しております。

社団法人成年後見センター・リーガルサポート設立

平成11年12月3日金曜日午後3時、東京千代田区のダイヤモンドホテル本館「ダイヤホール」にて社団法人成年後見センター・リーガルサポートの設立総会が開催されました。

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この総会で理事・監事・業務審査委員が次の様に選任されました(敬称略)。

 理事
日本公証人連合会会友 森岡茂
日本医師会 常任理事 桜井秀也
経済団体連合会(経団連) 常務理事 中村芳夫
日本税理士会連合会常務理事・制度部長 植田卓
全国社会福祉協議会常務理事 松尾武昌
日本社会福祉士会 副会長 池田恵利子
主婦連合会 副会長 勝又三千子
東京経済大学経済学部教授 利谷信義
早稲田大学法学部 教授 田山輝明
10 東京家政大学 教授 樋口恵子
11 さわやか法律事務所弁護士 堀田 力
12 日本司法書士会連合会 副会長(東京会) 齋木賢二(副理事長)
13 日本司法書士会連合会 常任理事(福井県会) 田中住江
14 日本司法書士会連合会 理事(福岡県会) 三河尻和夫(常任理事)
15 東京司法書士会 会長(東京会) 中村邦夫
16 愛知県司法書士会 会長(愛知県会) 松崎定守(常任理事)
17 司法書士(埼玉会) 大貫正男(理事長)
18 司法書士 (東京会) 岩澤勇(副理事長)
19 司法書士 (群馬会) 清水敏晶(常任理事)
20 司法書士 (福島県会) 芳賀裕(常任理事)
21 司法書士 (東京会) 前田稔(専務理事)
22 司法書士 (東京会) 松井秀樹(常任理事)

監事
日本司法書士会連合会 常任理事(宮城県会) 佐藤敏雄
埼玉司法書士会前会長(埼玉会) 岸尾守

業務審査委員
前東京家庭裁判所所長・桐蔭横浜大学法学部 教授 三宅弘人
元札幌法務局長 山下和彦
千葉大学法経学部 教授 新井誠
早稲田大学法学部 教授 棚村政行
東京社会福祉士会 会長 戸栗栄次
弁護士 山本正士
作家 沖藤典子
福島県司法書士会 会長(福島県会) 満井紀勝
兵庫県司法書士会 会長(兵庫会) 吉田博
10 長野県司法書士会 副会長(長野会) 風間邦光