業務内容

 酪農牧場の生産性向上のために必要な事項の実施
   1.繁殖検診 2週間に一回巡回
   2.栄養管理
   3.乾乳牛管理
   4.育成牛管理
   5.乳房炎コントロール
   6.畜舎設計
   7.疾病コントロール
   8.生産疾病記録管理 (定期レポート提出)
   9.従業員教育プログラム

1.繁殖検診
 牛群の運営上最も重要な土台です。妊娠、分娩しなければ牛乳は出ません。初産、2産、3産とリサイクルすることと、メス子牛が牛群に加わっていくことにより頭数が自然増していく。このことが酪農の本来持っている高い収益率の根本になります。ここの回転が牧場の生死を分けるといってもよい事項です。また、高い遺伝形質の早い伝達も達成できることになり、真似のできない牧場独自の高泌乳牛群を作成できることになります。最終的には、閉鎖牛群を作成できるようになり、バイオセキュリテイー上も安心して牛を飼えるようになります。
コンピュータからのリストを確認しながらの直腸検査
超音波診断の準備
超音波による直腸検査
(妊娠診断)

2.栄養管理
 栄養は繁殖、乳量、乳質、疾病、成長のすべてに関係していて、非常に重要な事項です。単なるコストの低い飼料プログラムを作るのではなく、最大の収益性をもたらす飼料プログラムを作らなければならないと考えています。栄養設計ソフトは、AMTSを使用しています。
 すべての粗飼料は、コンテナ入荷時すばやくサンプラーを使用してサンプルして、ニューヨーク州のDHIAに郵送し成分検査します。結果はE-mailで受けます。そしてその日のうちに、栄養バランスを計算して、牧場にFAXします。この間約5〜10日以内で実施しています。こうした事を通して、常に一定の栄養レベルを維持して、生産が安定する事を目的にしています。
エサのチェック
Penn Stateセパレーターを使い、TMR飼料の荒さのチェック
電機ドリルで乾草の
サンプルを取る

3.乾乳牛管理
 乾乳から分娩初期を移行期といって、もっとも母体がドラマチックな変化をするときです。そして病気もここに集中します。しかし、うまくこの時期を乗り越えられると、牛はとてつもない乳量を出してくれるし、その後の妊娠も順調に行きます。
 我々がもっとも、巡回時注意しているところです。乳熱や低カルシウム血症の頻発する牛群では、尿Phを計り陰イオン塩を添加して、体質を弱酸性に維持しています。(DCAD=
Dietary Cation-Anion Differrence) この技術は、目覚しい変化をもたらしています。
分娩
簡易pHメーターで尿pH測定
(クローズアップ牛群)

4.育成牛管理
 育成牛は牛群を回転させるためには不可欠な牛です。牧場の収益性を阻害する最も大きな事は、搾乳牛の頭数が減少することです。どんなに経産牛を受胎させリサイクルしても決してこの穴埋めにはなりません。唯一 外部から牛を導入するか、自家育成牛を分娩させる以外に方法はありません。しかし、正常な発育をしないと飼育期間が長くなり乳代収入の多くを育成の飼料代として食われ、かつ育成の稼働率が低下し過密の問題になります。さらに、分娩のトラブルも増え思うように乳量が出なくなります。
 育成牛はその牧場で、遺伝ポテンシャルが最も高い牛です。その能力を開花させるスタートは哺乳段階から始まります。乳腺組織の発達はこの時期に決まってしまうことが最近の研究でわかってきました。我々は、初乳のIgレベルと子牛の血清蛋白を常時測定しかつ”Intensified”FeedindとTarget Growth Systemを実施することに挑戦しています。
カーフハッチ(哺乳期)
カーフハッチ
離乳後のグループ

5.乳房炎コントロール
 「搾乳方法、ミルカー、牛と環境」のトライアングルの視点で現象を分析する必要があります。このトライアングルのどの部分にもっとも問題があるかは、バルクタンクの牛乳をサンプルしてその細菌の種類と数のカウントがスタートになります。我々は、常時定期的にバルクタンクの細菌スクリーニングテストを行っています。
 その他、乳房炎発症時には乳房炎乳汁の細菌検査の外、牛床敷料の細菌培養も合わせて行っています。
乳房炎乳汁の細菌培養
抗生物質感受性検査

  また、ミルカーのパルセーターの検査、搾乳中のクロー内圧測定、ラクトコーダーによる搾乳パフォーマンスのチェックも実施しています。
ラクトコーダーによるミルク流速、流量測定(搾乳中)
乳頭先端の真空圧測定(搾乳中)

6.畜舎設計
 牛の安楽性Cow Comfortは、すべての基本になります。最も健康でリラックスした状態のとき、生産性が最高になります。フリーストールの寸法はもっとも最新の行動学にもとづいたものを提供したいと思っています。また畜舎設計は、「牛群をどのような日々の作業をして運営したいのか」から始まります。充分なデイスカッションと現存する国内外のフリーストールを分析して、牧場の置かれた状況にあった畜舎を作っていきたいと思います。
   
ワイドスパンストール

7.疾病コントロール
 1〜6まですべてが疾病コントロールにも関わっています。さらに、牛群規模が大きくなった現在、多くのウイルスや細菌の脅威も増えています。我々が経験した主なものは次のものです。IBR,BVD,PI3,Ad,RS,AKV,ロタ、コロナ、サルモネラ、大腸菌、ヨーネ、クリプトコッカス、コクシジウム、線虫、ネオスポーラ、スピロフェーター。これらの、ワクチン計画や駆虫プログラムを作成し実施します。
 また、蹄病はフリーストール管理では、致命的な問題になりやすく、びっこを引いていれば早めに処置しなければなりません。患部を処置して蹄ブロックをはかせます。
壊死部の外科的除去
テーピング
ペイントチョークで個体確認

8.生産疾病記録管理
 酪農生産者と我々の共同作業がうまく機能しているかどうかのモニターが必要です。何か生産低下がある場合、どこがどの程度どうなのかハッキリさせなければなりません。この事は、時系列で常時とらえ、問題が大きくなる前に察知し調整しなければなりません。
 我々は、アメリカのValley Agricultural Software 社と契約してDairy Comp 305プログラムを使用しています。このプログラムはカリフォルニアの獣医診療所で開発され全米の牧場で使用されています。毎年アップデイトされ、牛群管理上必要な機能が更新されます。常に最新のモニター管理を心がけたいと思っています。そして、我々の水準を世界レベルでとらえていきたいと思っています。


9.従業員教育プログラム
 牧場が大きくなると複数の従業員と一緒に仕事をすることになります。熟練した従業員の確保が最大の問題です。従業員をトレーニングする手助けもしなければならないと考えています。

 酪農は必ず将来にわたって存続し続けます。我々の関与している牧場がその中にい続けられるようサポートして、一緒にすばらしい夢のある牧場を作りたいと思っています。