ロンドン・レポート(1)


 以下は、退屈な帰りの機内で書いたものを加筆・修正したものです。  <気候>  緯度が高いせいか、ロンドンの夏の日照時間は長い。サマータイムも手伝っ  て朝は5時前から明るくなり、夜は9時過ぎまで暗くならない。気温も涼し  く、日中かなり晴れて汗ばんでも、空気が乾いているので風が吹きさえすれ  ばかえって壮快だ。  <地下鉄>  チューブと呼ばれるロンドンの地下鉄は東京のそれよりも分かりやすい。乗  り換えも改札を通過しなくてすむので楽だし、何より、線名や色分けととも  に、自分のいる駅を基点に今後停車する駅名が表示されているので、安心し  て利用する線を見つけられる。なお、列車は全体的に小さく、網棚もエアコ  ンもない。これは地下鉄の歴史とも関係がありそうだ。(100年前にでき  たときのままなのかもしれない)  また、切符の販売機も実に分かりやすい。目的駅をアルファベット順に探し  て「シングル(片道)」「リターン(往復)」のボタンに続けて押すと、料  金が表示される。それからコインを入れればOKだ。  <公園>  とにかく広い。入り口には立派な門があり格式の高さを感じた。また、常に  多くの人が利用しているようだ。しかし、日本と決定的に違うのは、バーベ  キューしている人がいないことだろうか。(^_^;)  <道路事情>  郊外ではロータリーのような交差点が多く目立つ。高速のインターもそんな  感じで、右折する場合はぐるっと270度旋回しなければならない。しかし、  信号の数も多過ぎず合理的に感じるところもあった。  一方、街中では歩行者のマナーが悪いのが気になった。信号機や横断歩道を  無視してどんどん渡る。車も平気で飛ばしてくるので最初は怖かったが、ど  うやら人身事故の場合、横断歩道以外や信号無視の場合は車の責任は逃れら  れるようである。つまり、渡る人は自分の責任でやっているという訳だ。  (私も一人のときはどんどん渡った)  <景観>  民家を含め多くの建物がレンガを基調として白い窓枠、回りの緑に絶妙にマッ  チしてきれいだ。また、ガーデニングの本場ということで、どの家の庭もき  れいに手入れされている。古い家も多いが、地震がない国なので何世代にも  渡って使用されているようだ。  それから、面白いと感じたのは、郊外がすぐ田園の風景になることだろうか。  高速で30分も走るともう群馬よりも田舎、北海道のような広大な農地が見  えてくる。ここが日本の東京近郊なら間違いなくすぐにベッドタウンと化す  だろうと思った。なお、義弟の話では、工業都市がいくつかに分散している  からではないかとのこと。なるほど、確かに工場の類はほとんど見かけなかっ  た。  <観光>  2日目にダブルデッカーと呼ばれる2階建てバスの改造車のようなものに乗っ  た。市内の主な観光名所を約2時間で回るもので、途中下車したり再乗車で  きる。料金を払うとステレオイヤフォンを渡され、壁際にあるジャックに差  し込んで使用する。ちゃんと日の丸のマークもあり、日本語の解説を聴くこ  とができた。(バスによっては添乗員がマイクで楽しそうに解説しているも  のも見かけたが、英語がわからないのでこちらでよかった)  なお、2時間位で回れるほど、主なものは近接している。つまり、このバス  に乗っただけで観光はほぼ満足できるほどだ。今後、ロンドンへ行かれる人  がいたら、これはおすすめできます。  その他に回ったところは、大英博物館(展示物があまりにも多すぎるので、  ミイラの展示のあるエジプトだけを回った)、ナショナル・ギャラリー(ゴッ  ホ、モネ、ルノアール等多くの名画が展示されている)、自然史博物館、映  像博物館(ここは一人で見に行った)などである。  <物価とショッピング>  通貨はポンド(ペンス)で、1ポンドが100ペンス、現在のレートで日本  円の200円程度だ。物価は日本と同じ位かやや上か。もっとも消費税が17  %以上ある(内税になっている)ためで、これを差し引けばいくらか安いの  かも知れない。  一方、ショッピングはミーハーな?妻に付き合って、有名なデパートや店を  いくつか回った。ハロッズとかリバティ、フォートナム&メイソンなどは大  きさもさることながら、外観も古く歴史を感じさせる建物だ。しかし、さま  ざまなガイドブックに書かれているらしく、どちらにも多くの日本人客が来  ていた。  <食事・ビール>  イギリス料理という言葉を聞かないことからも、味にはまったく期待してい  なかったが、実際その程度だった。(^_^;)代表的な食べ物は「フィッシュ&  チップス」になるのだろうか。これは、魚のフライにマックフライポテト(笑)  がついたもので、大概の店にメニューがあるらしい。  最初に入った「ガーファンクル」というレストラン(後で気づいたがチェー  ン店らしい)で懲りたので、それ以降は主にパスタの店を選んで入っていた。  雰囲気はとてもいいが、うまいと思ったのは1店だけだった。  ロンドンにはパブやカフェが多く、店先にテーブルを出しているところが多  い。気候がいいので外での食事は気持ちのよいものだ。「運転」という2文  字から解放されている私は、ここぞとばかりに毎食ビールを頼んだ。(^_^;)  しかしながら、全体的に冷えがいまいちで、これまたちょっと期待外れの感  があった。もっとも、後で知ったことだが、ビールの種類によって冷やす温  度が違うということだ。それにしても、街頭で売っているジュースなどろく  に冷えてないものを、みんな気にせず買って飲んでいるのを見ると、市民も  慣れているのかな?とも思った。ちなみに、自動販売機は地下鉄の駅以外で  は見かけなかった。(しかもスナックの販売機)  ******************************************************************************  ロンドン・レポート(2)へ       戻る