汁の作り方  


冷たい蕎麦にしても、温かい蕎麦にしても、
食べるときの相棒である「汁」は、とても大切なものです。
蕎麦そのものがどんなに美味しくても、汁がまずければ何にも成りません。
勿論、太い蕎麦、細い蕎麦、変わり蕎麦、田舎蕎麦などなど相方は様々であり
蕎麦に合わせて味を求め色々と工夫して下さい。
ここでは、一つの方法として書き記しておきました、皆さんが工夫をされ
自慢できる汁が出来ましたら、是非お知らせ下さい。

汁を作るには、まず「かえし」と「出汁」を別々に作らねば成りません。
かえしは、概ね2週間から1ヶ月間寝かせてから使用すると、
とても美味しくなります。
又、温かい汁(例えば、豚肉などを利用した汁)は、それほど時間を
掛けずに出来、それなりに美味しいものになります。
寒い冬に食べるときは、案外いけます。


返しの作り方
材料と作り方
用意する物 醤油   600cc/色んな醤油を試して下さい。 
砂糖    90g /氷砂糖、三温糖、ザラメ、上白糖などで試して下さい。甘い汁が好きな場合は、増やして下さい。
本味醂 200cc/必ず本みりんを使用。
手順-1 鍋に醤油を全て入れ、火に掛ける。 
中火で煮立つ直前の状態に成ったら火を弱め、砂糖を溶かし込む。 
少しずつ菜箸などでかき回しながら、完全に溶けるまで煮込む。
手順-2 砂糖がほとんど溶けたことを確認できたら、中火にして暖める。 
沸騰させない様に注意し、表面に黄色っぽい泡が浮いてきたら、木蓋を使って表面の泡(あく)を取り除く。
手順-3 更に中火で暖めて行くと、再度表面に黄金色の膜が表面を覆うので、本味醂をそっと流し込む。 
絶対に沸騰させないようにして、少しかき混ぜながら、再度泡立つのを待つ。
手順-4 泡立つのを確認したら、火を止め、 冷暗所で自然にさます。
手順-5 さめた「返し」を、陶器に入れ替え、 表面が少し空気に触れるくらいの蓋をして、一週間以上寝かせる。 
醤油の角が取れて、まろやかに成る。


出汁の作り方
 
材料と作り方
用意する物 水   1000cc (蒸発分を+500cc余分に入れて下さい) 
鰹節     80g (厚削りのかつお節を使う事を前提にしています) 
昆布     40g
手順-1 鍋に水1リッターと昆布を入れ、ガスコンロで 弱火で煮ます。 
お湯が沸騰しないように、注意し、沸騰直前に昆布を箸などで救い出します。
手順-2 鰹節を全量入れ、中火にします。 
鍋と蓋の間に割り箸を挟み込み、蒸発を防ぎます。
そのまま、約30分位煮立てます。 
あくが表面に浮いてきますので、お玉などで丁寧にすくい取ります。 
鰹節は、お湯の中で泳ぐようにします。
手順-3 別の鍋に、すくい笊の様なものを置き、その上に布巾などの目の細かいものを 
幾重かに畳んでおきます。 
その上から、沸騰しただし汁を注ぎ、濾します。
濾した出汁は、必ず計量して下さい。


配合
 
手順 辛汁(つけ汁) 甘汁(かけ汁)
手順-1 その中に、事前に寝かせておいた「かえし」を注ぎ入れます。但し、汁の濃さについては、その方の好みがありますので、お玉などで味見をしながら少しずつ混ぜて下さい。(概ね、出汁3に対して、1位の割合です) 
適度な濃さに調整できたら、布巾などで蓋をして、そのまま自然に冷まします。
出汁汁の中に、返しを注ぎ入ます。 
こちらは、飲む汁なので、出汁汁10に対し、返しが1の感じで調整して下さい。 
寝かせる必要は有りませんので、そのまま使って下さい。
手順-2 【湯煎】 
冷めた辛汁を、壺のようなもの(土タンポと言います)に入れ、湯煎をします。 
大きな鍋に水、又はお湯を入れ沸騰させます。 
その中に、汁を入れた入れ物を置き、30〜40分沸騰させます。 
中の辛汁が、間接的に暖まります。 
湯煎が終わったら、再度布巾などで蓋をして自然に冷却させます。
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手順-3 冷めた汁は、そのまま直ぐに使えます。 
あまったら、冷蔵庫に入れ使う分だけすくいだして使います。 
夏は、出来れば1週間から10日位で使い切って下さい。冬で有れば、1ヶ月位は大丈夫です。 
もし、長期間保存する場合には、小分けした汁を冷凍すると、夏でも1ヶ月以上持ちます。
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温かい付け汁の作り方
 

手順 作り方
材料 水 1,000cc
椎茸  1個
昆布  40g
長ネギ 1〜2本
ショウガ 1切れ(肉の臭みをとるためです)
豚肉(細切れ) 100g位
手順-1 鍋に水と昆布を入れます。
弱火で昆布を煮出します。
沸騰する前に昆布を取り出し、次にネギ、豚肉、その他適当な野菜を入れぐつぐつと煮ます。
灰汁が沢山出ますので、適宜お玉ですくい取って下さい。
野菜、肉が煮えたら、かえしを少しずつ入れ、濃さを味見しながら調節して下さい。
手順-2 温かいまま、お椀などに注ぎ、七味唐辛子、刻みネギなどを薬味として利用し
付け汁の様に食べて下さい。


その他にも、味噌味の汁とか胡麻にかえしを溶いたものとか、色々と試して下さい。
蕎麦に合わせた「汁」は、ルールは有りません。美味ければ、何でもありと思って工夫して下さい。

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