蕎麦打ちの手順(1:水回し) 

変わり蕎麦の打ち方


俗に更科粉と言われるそば粉を使用し、香りと色を楽しみます。
一般的に良く知られているのは、「茶蕎麦」や「柚切り蕎麦」などですが、香り色ともに好かれる「柚切り蕎麦」を紹介します。打ち方は、並蕎麦と水回しの工程が違うだけで、のし台以降は「並蕎麦」の打ち方と同じです。
並蕎麦と大きく違うところは、こねの工程です。
皆さんが、興味を持たれて様々な「素材」で挑戦して戴ければ幸いです。


大工程 [1:水回し][2:延し][3:切り][4:茹で]

大工程 中工程 説     明 ポイント
水回し 水回し 先ず、用意した蕎麦粉(更科粉400g)と小麦粉(強力粉100g)のうち蕎麦粉のみをこね鉢に入れる。(篩いにかけて玉を無くしながら入れる) 

準備したそば粉をこね鉢に入れ、平らに均した後、4等分します。その内の1/4を、最初に使いますので、残りの3/4は端にずらしておきます。 

次に、沸騰したお湯(全体の50%相当、今回の場合250cc)を、1/4のそば粉に全て入れ、割り箸などで蕎麦がきを作る要領で かき回します。最初は、バラバラだったそば粉が、徐々に粘りけを出してきますので、急いで糊状態に成るまで、練ります。 
恐らく、腕が痛くなると思います。 

糊状になり、割り箸が動かなく成ってきたら、残りのそば粉をまぶして、今度は全体がフレーク状になるまで混ぜます。 
この時、糊状の蕎麦がきは熱いので、火傷しないよう注意して下さい。 

全体がフレーク状になってきたら、小麦粉(強力粉100g)を全体にまぶします。そのまま、更に全体がさらさらになるように混ぜ合わせます。細かい粉状になってきたら、いよいよ素材である「柚子」を混ぜ合わせます。

この工程が一番重要です。 
丁寧に素早く、優しく作業して下さい。 
 
 
括り 柚子が全体に混ぜ合わされたら、いよいよ括りと練りに入ります。 
ここからが、変わり蕎麦の特徴です。最初、さらさらして絶対に固まりっこないと思われていた蕎麦粉が、根気よくこねて行くと 徐々に固まってきます。更に、練りを繰り返して行くと、不思議なことに何となく手の表面に粘りけを感ずると思います。 
(こうなれば、しめたものです)
全体に行き渡った水を粉の中に、押し込む要領で行います 
 
練り 全体に配分された水の力で、粉の持つ粘りけを引き出す作業です。両手の中に包み込む様にして、どうを手前から向こう側に押し延ばすようにします。 

両手の親指の付け根の軟らかい部分を使って表面に艶が出てくるまで、しっかりと、何回も行います。 
体重は掛けますが、一回毎の押し出しにはそれ程力を入れません。 

向きを変え、万遍なく練って行きますと、表面が つやつやしてきます。(これを面が出ると言います)

絶対に繋がると信じて練り続けて下さい。
何回も練っていると、自然に手のひらに粘りを感じてきます。 

同時に表面が、つやつやとしてきます。

菊揉み 艶の出てきた「どう」の表面にキズを無くすため、又練り込んだ空気を追い出すために、菊揉みという作業を行います。 
どうの真ん中めがけて、外側のつやつやを纏めてゆく感じで、キズやしわを一カ所に集めて行きます。 
丁度、集まったキズの形が菊の花の様に見えるところから菊揉みと称します。 

更に、集まったキズの部分を鉛筆の先の様に回しながら尖らせて行きます。丁度円錐形を作る感じです。 
逆さにすると、大きな涙のようになった「どう」を尖った方を下にして、上から少しねじり回す様にしてお饅頭の様に形を整えます。 
これで、すっかり表面のキズは無くなり、綺麗なお饅頭が出来上がりました。 

ここで、こね鉢の作業はお仕舞いです。 
両手を綺麗に洗って、タオルで拭いて下さい。

表面にキズが付かない様に、出来る限り丸く、絞り込んだ 花びら模様が均等に成るようにする。


→ 延し、切り、茹で工程へ


☆ 蕎麦打ちの技術に戻る
☆ トップページに戻る