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任意後見契約私試案

(森羅万象を織り込む方策として)

はじめに

新しい任意後見制度においては、公正証書による契約が予定されていますが、「自己決定権の尊重」という点から考えると、依頼者の考え方や、代わってしてもらいたいことなどを、細かく決めておかなければ、能力喪失後に自分が決めたならこうしたであろう事が代理人によって成されるとはかぎりません。新しい任意後見制度の公正証書がどのようなものになるか不明ですが、登録制度と連動したり、裁判所が選任する任意後見監督人制度との関係から要点をまとめたものになることも考えられます。任意後見のリスクを考えると、これらの仕組み、保護はやむを得ないと思いますが、任意後見の最大の長所と思われる「自己決定権の尊重」を最大に引き出すためには、任意な契約がもう一方で必要になると思います。しかし実行するときには本人のコントロールは難しくなるわけですから、そこの手当は最低必要になります。このためには、本人対成年後見人という1対1の関係ではなく、組織的な取り組みが必要になります。現在日本司法書士連合会では、社団法人を設立して新しい成年後見制度が、正しく機能するように準備を進めていますが、この様な取り組みが重用と思われます。ここでは、監督機能をもった社団法人を想定して、監督人たる社団法人と任意後見人と本人が3面契約を結ぶ形の契約を考えてみました。能力がある時に、能力喪失後どの様な生き方をしたいか、どの様な待遇を受けたいか、いわば「いきるための遺言」です。この契約案はあくまでも私の個人的な一つの案です。ご意見等お聞きしながらバージョンアップしていきたいと思っています。ご意見をメールにてお知らせください。

当 事 者

1.任意後見依頼人
私は下記「約定」に定める内容を承知し、次に定める任意後見人および任意後見監督人と任意後見契約を締結します。
平成 年 月 日
住所  氏名   印  電話番号

2.任意後見
私は任意後見人として下記「約定」に定める内容を承知し、任意後見依頼人である上記の者および次の任意後見監督人と任意後見契約を締結します。
平成 年 月 日

住所 任意後見人 氏名  印  電話番号

3.任意後見監督人
私は任意後見監督人として下記「約定」に定める内容を承知し、任意後見依頼人である上記の者および上記任意後見人と任意後見契約を締結します。
平成 年 月 日

住所 任意後見人監督人 氏名 印 電話番号

4契約の立会人
上記各当事者は、我々の面前において、この任意後見契約書に署名しました。
平成 年 月 日

住所  証 人 氏名  印

住所  証 人 氏名  印

約  定

1、契約の目的
契約締結に関する意思能力を有する現時点において、任意後見人、及び任意後見監督人候補者を定めておく事によって、将来の意思能力の喪失によって自己決定が不可能となった場合でも、あなたの意思が最大限尊重されて生活および法律行為を営む事ができることを目的としています。あわせて、能力喪失前といえども、必要に応じてあなたの意思決定に助言し、あるいは必要な行動をすること、及びその行為を監督に服しめることによってその事を確保しようとするものです。

2 、 契約の特色
(1) この契約は「任意後見法」による任意後見契約であり同法の適用を受けます。
(2) 委任者(以下 あなたという)に関する法律行為の全部又は一部について、家庭裁判所による任意後見監督人の選任を停止条件として、受任者(以下任意後見人候補者、または任意後見人という)に代理権が付与されます。
(3) 家庭裁判所によって任意後見監督人が選任されるまでの間、任意後見人候補者はあなたとのこの契約に基づいて、助言などの補助行為を行い、あなたにとって最善の時に、家庭裁判所による任意後見監督人の選任の申し立てを行います。
(4) あなたはこの任意後見人候補者を監督する者を(以下 任意後見人監督人候補者または、任意後見監督人という)定め、特段の事情が無い限り、任意後見人候補者はこの任意後見監督人候補者を任意後見人監督人候補者として家庭裁判所に推薦する事になります。
(5) 任意後見監督人候補者は裁判所より選任されるまでの間であっても、任意後見候補者の行為を監督します。

3、任意後見人の権限の範囲
(1)全体的な位置づけ
任意後見人として代理権が付与された後は、あなたが、決定したならばどの様な決定をするのかを参考にしながら全体的な判断をしますので、あなたがこの契約を必要とした理由、あなたの生活信条、人生観、どの様な方向で意思決定したらよいのかを別紙「任意後見人の権限の全体的位置付書」に明示して添付してください。

(2)財産権に関する具体的な位置づけ
任意後見人として代理権を付与する範囲を次に明記してください。

@ 財産全部(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について @保存行為 A管理行為 B処分行為)

A 不 動 産(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)

B 現 金(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)

C 預 貯 金(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)

D 有価証券(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)

E 年金保険(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)

F 動 産(@すべて A別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)

G そ の 他(別紙「財産目録」記載のとおり)
について(@保存行為 A管理行為 B処分行為)
(該当個所に丸をつけてください)

Uまた、この契約は、能力喪失前といえども、必要に応じてあなたの意思決定に助言し、あるいは必要な行動をすること、によって、あなたの意思が最大限尊重されて生活および法律行為を営む事ができることを目的としていますが、その事を望まない場合もありますので、下記の数字に丸をつけてください。
@ 任意後見人として代理権が付与される前より助言等を行ってください。
A 任意後見人として代理権が付与された後から代理のみしていて頂ければ結構です。
B その他(       )

V.能力喪失前においても、上記財産管理を行う上で付随して、任意後見人に代理権を与える必要がある場合は、別紙「代理権授与書」に代理権の内容を明示して添付してください。この条項に基づいて与えた場合は、任意後見監督人は、この契約の趣旨に基づいて任意後見人を監督します。尚後日必要が生じた場合は、同書を作成し三者合意の上で本契約書に合綴してください。

W.管理内容方法について具体的な指示がある場合は、別紙「財産権に関する具体的な指示書」を添付してください。

(3)身上監護に関する具体的な位置づけ
T.任意後見人として代理権が付与された後の身上監護の範囲を選択してください。
@ 健康管理への配慮
A 安全な生活確保

U.Tの権限につき特に次の事柄を決定しておいてください。
@ 居所指定
(居所指定は社団法人*****と協議の上任意後見監督人の同意を求めてから行います。)
A 医療に関する事項
生命身体に重大な影響を及ぼす事項についての承諾権者の指定
住所
氏名 連絡先 あなたとの関係
(上記指定のない場合は*****と協議の上、任意後見監督人の同意を条件に行う事になります。)
Bその他

U.任意後見人として代理権が付与されるまで、であってもTの範囲における助言、補助が必要な場合には次に明記しください。

@ 能力が喪失したとされるまで自立ていたいので、そ以降お願いします。
A 妻から要請があってから世話を行ってください。
B その他( )

V. 上記範囲について具体的な指示がある場合は、別紙「世話の具体的な指示書」を添付してください。

(4)付帯する権限について
付帯的に定めておきたい事柄については別紙「付帯的指示書」を使用して明記してください。

(5)共同任意後見について
任意後見人を2名以上定める場合は、各々の役割内容、その連絡調整方法を明記してください。

4、契約の開始、期間
特に指示が無い場合は、この契約の締結によって開始し、この契約の性格上、期間の定めはありません。契約が開始する条件や、期間を設けたい場合は次に記載してください。

(契約が開始するための条件      )

(契約の期間 )

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