採 算

開業相談
ここでは蕎麦屋の採算について
考えて見ましょう。

番号

疑問/説明

1.

採算計算はどの様に行う?

収入から支出を引いたものを損益と言います。
一般的には一年間の収支を計算して損益を見ますが、それは飽くまで結果であって動かすことは出来ません。大切なことは出来る限り短い期間で概略の採算を知り、次のサイクルに向けて損益が向上するための手を打つことです。最低でも一ヶ月単位、可能であれば一週間単位で採算を把握できる様にしたほうが良いと思います。その為には日々の売上、支払金額などをノートに記帳して毎日、又は一週間の合計で粗利を知っておくことです。 

2.

原価の中味は?

様々な分け方があります。
売上を計上したときに掛かる費用(=原価)を分類すると、直接費・間接費、固定費・変動費などで表現されます。
一人のお客様に注文を頂き、食べていただいた後、料金を戴くわけですがその為に掛かった費用のことを直接費といいます。例えば材料代・光熱費・手間賃・消耗品代などがそうです。一方家賃や建物・備品の減価償却費などは計算上の原価として算入しますが、これらを間接費と言います。 一年間(一ヶ月)を通じた原価の合計を知っておくことも大切ですが、個々の売上に対する原価を知っておくことも大切です。勿論、厳密にきちっと計算できませんが概ねの金額を割り振って一つの売上に対して原価がこのくらいと頭の中で理解しておくことが大切です。

3.

固定費と変動費って何?

採算計算をするときに必要な経費の分け方です。
簡単に言えば、売上がなくても掛かる費用のことを「固定費」、売上に結びついて増えてゆく費用の事を「変動費」と呼びます。概ね以下の様に挙げられると思います。
【固定費】・・・家賃、人件費、水道光熱費、減価償却費、借り入れ返済費、リース料などです。
【変動費】・・・材料費、消耗品費などです。
原価を計算する場合、変動費は売上に連動していますので掛かった費用を全て参入すれば一品あたり幾らと算出できます。売上金額からこれを差し引いたものをメニュー単位の「粗利」と言います。固定費は一年間の費用を月別、日別、時間別に算出します。例えば一日あたりの収支は、「一日の売上金額」−「一日に売れたメニューの材料費」−「一日あたりの固定費」で計算します。

4.

税金計算はどの様に?

 どの様な商売を始めるにしても最初に税務署に「商売を始めること」と「所得税の申告方法」を届けておかなければなりません。
所得税の申告方法には「青色申告」と「白色申告」の2種類があり、大雑把に言うと白色申告のほうが計算方法や手続きが簡単です。その代わり損失の繰越などが出来ないなど、扱いの面で不利になることもあります。最初に白色申告をしておき数年してから青色申告に変更することも出来ます。いずれにしても詳細については地元の税務署に相談すれば細かく教えてくれます。
毎日の伝票の積み重ねを費目ごとに集計して収支を計算し、税額を確定するのはかなり大変な作業です。会計用の分類方法、言葉、償却資産の償却など多少専門的な知識も必要になるため税理士に依頼することも検討したら如何でしょうか。勿論年間で幾らと費用が掛かります。
パソコンなどで表計算ソフトを利用して毎日の売上や経費を打ち込み、一ヶ月、一年間の収支を掴むことは経営する方にとってはとても大切です。ご自分の商売が毎日どの様に動いているかを身体で理解するためにも最低でも売上、経費をノートなどに付けて集計することはやっておいたほうが良いと思います。

現在、私の使っている集計ソフト(マイクロソフトのエクセルで作ってあります)で集計を行ってみるなら無償で提供します。

5.

普段からやっておかなければならないことは?

毎日やっておかなければ成らないのは、日々の売上・支払費用の記帳・集計です。これらは現金の動きで把握できます。
月に一回、やっておくことは通帳などからの引落し費用の記帳・集計です。又在庫の棚卸も把握しておいたほうが良いでしょう。そうすることによって一ヶ月単位での収支が把握でき、月毎の傾向や一年前との比較などが出来、翌月に向けた営業政策、商品開発などが考えられます。 

6.

資金繰りって?

大企業でも個人経営のお店でも変わらないのが資金繰りです。運転資金がキチンと用意できていれば一時的な赤字でも経営は持続できます。幸いにも飲食業の最大の利点は収入の殆どが現金です。支払いは相手によって違いますが出来得ればその都度現金で支払うことがベストです。売上金額は中々予測できませんが、支払金額はかなり高い精度で予測できます。
そこで予測される支払期限に手持ちの現金・預金が準備できているかどうかが大切なことです。これらを支払予定表として一覧表にしておきどのお金を手当するかを確認しておけば営業は続けられます。
支払予定は、日々の仕入に限らず月々の発生する家賃・借入金返済・光熱費などの引落しや人件費などの支払、固定資産税・所得税などの支払などがあります。支払いの目処が付かない場合には早めに借入金(運転資金の手当)のお願いをしておくことが大切です。勿論返済の見込みも織り込んで。

 

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